INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

世界観を考察するのが好きなゲーマーにぶっ刺さりの『ファンタジーマップシミュレーター』!自動生成された架空の世界で広がる歴史に夢中になった

by 富士脇 水面

2024.9.8 13:10 | 更新

架空の世界地図で歴史を紡ぐマップシミュレーション

 2024年9月4日に早期アクセス開始を予定しているシミュレーションゲーム『ファンタジーマップシミュレーター』が個人的にぶっ刺さったかなり期待できる作品だったので、このタイミングで紹介させてもらおうと思う。

 8月4日に体験版が配信された本作はシミュレーションゲームが好きなゲーマーならば既にその存在を知っているかもしれないが、『ファンタジーマップシミュレーター』は自動生成された世界地図の上で、架空の国々が外交や戦争を経て発展したり滅亡する様子を眺めるユニークな作品。

 ゲームジャンル的にはおそらくゴッドゲームやストラテジーゲームに分類される作品だが、国々が紡ぐ歴史をただ眺めるのが基本的な楽しみ方となる。

 これだけでは何がそんなに面白いのかわからないと思うので、ゲームの遊び方や機能を紹介しつつ注目のポイントを順番に見ていこう。

 まず、『ファンタジーマップシミュレーター』のゲーム性についてだが、これは非常にシンプルで先にも触れた通り架空の世界での歴史を覗き見るシミュレーションゲームだ。

 ゲームを起動すると地図上に大陸とその上に広がる国々が生成され、通常速度では1秒で10日のペースで歴史が動き出す。

 地図上の国には国名のほかに、国ができてからの年数や首都、宗教、人口、国の腐敗度、政治体制、州の数など多数のパラーメーターが設定されており、国力を高めようとそれぞれが勝手に外交や戦争を始めるので、プレイヤーはぼーっと地図を眺めているだけでどんどん世界地図が塗り替えられていく。

 現状では国家間の外交は同盟くらいしかなくまだまだというところだが、軍事ユニット同士の戦いは2本の剣の戦闘マークや矢印で進軍状況がリアルタイムに表示されており、リアルタイムストラテジーを見ているようでなかなかに見ごたえがある。

 基本的には多くの軍隊を持つ国家や強い特性を持った国家が、まずは同じ大陸、次は海の向こうと段階的に国土を広げていくのだが、超大国が統一して終わりとはならず時々イレギュラーな展開となるのがまた面白い。

▲マップは植生図(上)と高度図(下)を切り替え可能。デフォルトで表示される人口密集地(赤丸)なども表示できる。

 というのも本作の世界地図には国家のパラメーター以外にも地形や植生といった概念があり、どの要素が影響しているのかはわからないのだが、軍隊は少ないのにとてつもなく粘る小国や島国が出てきたりする。

▲大国が大陸全土を飲み込んだ後に突然小国が生まれることがある。

 数多の国家を飲み込んだ超大国も、突然反乱がおきて新たな国が生まれたり、飲まれた国が再び独立したりするので、小国が粘っている間に大国が分裂していたり、別の大陸を観察しているうちに大国が消えてたりするのだ。

 と、まぁ国の動きだけを見ていても十分楽しめるのだが、ゲームの世界設定とか世界観の考察が好きなゲーマーは国家の設定なんかをイメージしながら見ているとかなり楽しめるだろう。

 筆者はまさに世界設定を調べたり世界観を考察するのが好きで、MMOの自キャラにも背景を考えたり、マイクラでも設定なんかを考えながら建築を楽しんできたタイプだ。

 なので、多彩な政治体制の国家がぶつかり合う本作は、この戦争にはこういう背景があったりするのかなとか、この同盟はこの国に対抗して作られたななんて、妄想がなかなかに捗る相性の良い作品だった。

 ここまでは本作のおそらく基本的な楽しみ方を紹介したが、このほかに自分で大陸や国家を作成したり、国家の行動を決めたりと遊べる要素が多い。

 先の通りマップはゲームの起動時に自動で生成されるのだが、地図編集機能を使えば世界地図を書き換えることはもちろん、0から世界を作り上げることも可能。

▲東洋ファンタジー、西洋ファンタジー、WorldIIの設定を同時に入れれば、国家名も入り混じった世界地図になる。

 地図編集機能では国家のランダム生成や、生成される国の命名ルールの変更が可能。わかりやすく言えば、一気に国家を生成しなおしたり、出現する国名を東洋ファンタジー(漢字)・西洋ファンタジー(カタカナ)・WorldII(実在する国)で調整できるわけだ。

 また、生成された国家は情報ウィンドウから行動を指定することも可能で、国家の動きや歴史の流れをある程度制御できるので、ストラテジーゲーム的な遊び方ができる。

 ちなみに、国家の情報ウィンドウでは国名を変更することもできるので、自分で考えた国名を使ったり、身内の名前を設定して友人と画面共有で統一レース、あるいは滅亡レースを開いてみても面白いかもしれない。

 『ファンタジーマップシミュレーター』は9月4日に早期アクセスでのリリースを予定しており、現在は体験版が配信中。

 体験版は700年分の歴史をシミュレーションすることが可能なため、動画や本稿で興味を持った方は体験版からチェックしてみてほしい。

  • 商品名  ファンタジーマップシミュレーター
  • 開発   The Stranger
  • 販売   The Stranger
  • 配信日  2024年9月4日
  • 定価   920円(Steam)
  • 日本語  〇
  • 公式SNS https://x.com/MapSimulator
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