『シュレディンガーズ・コール』あなたの心残りは何? 死にきれない魂と電話でつながるアドベンチャー。体験版が期間限定で配信中

Acrobatic Chirimenjakoが手掛けるPC向けアドベンチャー『シュレディンガーズ・コール』の体験版が、2025年5月12日(月)までの期間限定で配信開始。過去に東京ゲームショウなどで出展されていたタイトルであり、イベントに行けなかった人も気軽に冒頭部分を遊べるようになった。
お話の舞台は電話がぽつんと置かれた見知らぬ部屋。記憶喪失の女の子メアリと、そんな彼女を導く黒猫ハムレットを軸にストーリーが展開されていく。
集英社ゲームズが発売元を担当するタイトル群として発表され、「死にきれない魂と繋がる不思議な電話を使い、彼らを苦しみから救う」という見出しは、当時は「どういうゲームなんだ……!?」と気になったものだ。


人間がひとり残らず消えた世界で、メアリは世界最後の話し相手。死にきれない心残りを抱えた魂と通話して、生と死の狭間で苦しむ彼らを救うのが彼女の役割である。
なお、彼女は前述のとおり記憶を失っており、ハムレットに促されるように受話器を取る。よくわからないまま導かれていくメアリは、ゲームを始めたばかりで何もわかっていないプレイヤーと重なるようで、話の導入としてはするりと入り込めた。“置いてけぼり感”があまりないのが最初のフックとしてちょうどいい。

最初の話し相手はルーシーという女性。何かを後悔している彼女の想いを電話越しの会話から読み取っていく。
“ウィリアム”と話したい。
そのウィリアムとは誰なのか?
メアリ(プレイヤー)は彼女にどう声をかけてあげるべきなのか。
お互い話していくなかで筆者の想像は膨らんでいく。

さらに会話中には、メアリのセリフが選択肢に現れることも。正直に現実的なことを言ったり、相手をフォローしたり、ときには聞かないという選択もある。
正直、自分としてはできるだけ相手を傷つけないようにしたいが、このあたりはプレイヤーの考えかたによって変わりそうだ。あえて嘘偽りなく言ったほうが逆に相手がスッキリするかもしれない。悩みどころだなぁ……。

体験版のボリュームは30分ほど。彼女の言葉に耳を傾けているとあっという間に終わってしまった。体験できるのは冒頭部分のみなので、ルーシーを救えるかどうかは発売後のお楽しみというわけだろうか。
体験版では今回記事で紹介した部分からもう少しお話が続くのだが、ラストの演出が気になる引きだったのもあり、詳細はあえて伏せておく。
ただ、ルーシーとの少ない会話の中からは、「誰でもいいから話したい」、「現状をどうにかしたい」、「助けてほしい」、そういう感情が個人的に読み取れた。
どう言ってあげるべきなのか、彼女にとって何が正解なのかはまだ分からない。もしかしたら今聞いたことよりさらに複雑な事情だったり、解決方法はシンプルなのかもしれない。とにかく行く末が気になる。
魂を救う方法は会話の中にあるはず。相手とどう向き合うか、メアリを通して試されている気がしてならない。

- 商品名 シュレディンガーズ・コール
- 開発 Acrobatic Chirimenjako
- 販売 SHUEISHA GAMES
- 配信日 2025年発売予定(PC)
- 日本語 〇
- Steamストアページ