INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

化石や遺物を発掘して唯一無二の博物館を運営せよ! 『ツーポイントミュージアム』がめっちゃ楽しい!

by 大塚 角満

2025.2.26 00:55 | 更新

経営シミュレーションの超良作

 かつてはプラットフォーマーとしても鳴らしたこのメーカーのゲームを、“インディーゲーム”を看板に掲げる当メディアで扱っていいものか若干悩みはしたのだが……! 明らかに『龍が如く』や『プロセカ』とは建付けが違うタイトルだし、海外制作の良作を日本に持ち込んで……というスタンスはいかにもインディーゲームのパブリッシング手法なので、

 「よし! “このタイトル”をきっかけに、こういうゲームもじゃんじゃん紹介していっちまおう!!」

 と、逆に吹っ切ることができました(何言ってんだ)。

 ということで! 改めてここでレビューを書くタイトルは……あのセガから2025年3月5日にXbox Series X|S、Steamで発売(プレイステーション5版は4月17日)となる博物館経営シミュレーション『ツーポイントミュージアム』なのです!! ありがたいことに発売前のレビュー版をお借りすることができまして、先日からひたすらせっせと博物館作りを行っているんですねぇ。

 『ツーポイントミュージアム』はその名の通り、イギリスにあるセガのグループ会社・Two Point Studiosが制作するタイトルだ。2018年にリリースされた病院運営シミュレーション『ツーポイントホスピタル』が有名なので(俺も遊んだ記憶がある)、知っている人も少なくないに違いない。セガとは2019年からパートナーシップを結んでいる。

 そんなTwo Point Studiosが放つ最新作が『ツーポイントミュージアム』なわけだけど、ゲームの説明として公式リリースにはつぎのように記述されている。

 「『ツーポイント』シリーズの完全新作となる今作は、博物館を舞台とした経営シミュレーションゲームです。プレイヤーは博物館の運営を任された駆け出しの学芸員として、展示品の収集や館内ツアーの企画などを行い、オリジナリティ溢れる博物館を運営することができます。誰もが認める最高の博物館を作り上げましょう!」

 なるほどなるほど。要するに、あちこちから博物館の展示に見合う化石やら遺物を見つけてきたり、スタッフの管理をしたり、お金稼ぎについて思考を巡らせたりすればいいわけね。で、評価が高くなるほど来館者が増えて、そこで得た資金をもとに“マイ博物館”をさらに発展させていけばいい……と!!(物分かりがいい男) いいねいいね!! こういう経営シミュレーション系のゲームって、じつはその元祖とも言える『テーマパーク』(1995年!)のころから大好物なんだよ!!

 というわけでさっそく、ほぼほぼ製品版と遜色ないSteam用のレビュー版を起動してプレイし始めた。

 こういった経営シミュレーションってホンッッッ……トにいろいろなことができるので、チュートリアルはシツコイくらい懇切丁寧なほうがいい。その点、さすが『ツーポイントミュージアム』はよくできていて、

 とてもスムーズに、ゲームの流れをぶった切らない塩梅で必要最低限のナビゲートをしてくれる。これは、めちゃくちゃ好感だ。“チュートリアルをやらされている”という感じがいっさいしないので、自然とこの世界に馴染めていけるのが最高である。

 そんなチュートリアルをやっていると、すぐに『ツーポイントミュージアム』というゲームの流れが見えてくる。まずやらなければいけないのは、オノレの博物館に飾るための展示物を見つけてくること。そのための人を雇い、即席の探検チームを作って、危険が跋扈する冒険の旅に派遣せねばならない。

 運よく(意味深)探検隊が戻ったら、館内に飾る。ここもかなり自由度が高く、

 来館者の往来に合わせて説明用のパネルを置いたり、シナジーを発生させる装飾を施したりと、なかなかにして奥が深いのよ。さらに小銭稼ぎ……というか意外と重要な“募金箱”を置いて収益をアップさせることも、いかにも現代的でステキだw

 そして当然、ただ展示物を置けばいいというわけではなく、メンテナンス用の作業員、セキュリティーのための警備員(展示物に勝手に触る不届き者が多いのだ)、清掃スタッフなどなど、博物館をスムーズに運営するための従業員をつぎつぎと雇わなければならない。

 このスタッフィングと同時並行で、先の探検隊の派遣や館内レイアウト、さらにツアールートの設定、ギフトショップの運営などなど、矢継ぎ早に仕事が舞い込んでくるので忙しいったらありゃしない。

 でもそのころには、ガラ~~~ンとしていて寄る辺のなかった博物館が、

 うおおおお……!!! いつの間にか展示物が充実し、来館者で溢れ返った、立派でラグジュアリーな空間になってきてる……!! コレこれ!! こういった充足感を得られるかどうかがこの手のシミュレーションゲームのいちばんのキモだと思うんだけど、『ツーポイントミュージアム』は完全にそのハードルを飛び越えてると思うわ。ときに発生するハプニングも楽しくて、ついつい辞め時を忘れてしまうよ!!

 こうして、俺が作った博物館のスクショを我が同僚であるたっちー先生に見せたところ、

 「ナニコレ!! わしもやる!! おもしろそう!!」

 ってことでプレイを始めた。こういったジャンルのゲームはほとんど遊んだことがないらしく、毎日のように「楽しい楽しい!」と言った感想がメッセージで送られてきていたのである。

 ところが。

 ある日、思いもよらない暗いトーンでつぎのようなメッセージが……。

 「あかん……。もうダメや!!>< 倒産するかも!!」

 一瞬、我が角満事務所の資金繰りがいよいよ行き詰って、首が回らなくなったのかと思ったよ……。でも、幸いそういうことではないらしく、たっちー先生は続けて、

 「わしの博物館……>< 銀行からも限界までお金を借りてしまって、追加融資も受けられん……!」

 こんなことを言うのだ。

 俺はこの時点でゲラゲラと笑っていたんだけど、一応、

 「なんでそんなことになったの??www」

 と水を向けてみたところ、たっちー先生はさらに淀んだ声で↓こんなことを言ったのだ。

 「なんか、氷に閉ざされた地区に探検隊を派遣して、氷漬けのハチの巣を持ち帰ったのよ」

 おお。俺もそこで氷漬けのミイラを見つけて、館内に展示しているわ。

 たっちー先生が続ける。

 「喜んでその氷漬けハチの巣を展示したんやけど、ある日気が付いたら……氷が溶けてハチが復活し、客を襲いだしたんや(´;ω;`)ウッ…

 俺、腹を抱えて笑い出す。「なにそれwwww そんなことある???www」。たっちー先生、プリプリと怒りながら言う。

 「お客様が逃げ惑ってるねん!!!>< もうどうしようもなくて、わしはそっと……PCを閉じた……w」

 俺は絶叫した。

 「ダメ経営者でたぁぁぁあああ!!!!ww お客様を助けろよ!!!!(驚)」

 こういったコミカルなやり取りもじつに楽しい『ツーポイントミュージアム』、マジでおススメですwww

  • タイトル: ツーポイントミュージアム
  • ジャンル: カジュアル, インディー, シミュレーション, ストラテジー
  • 開発元: Two Point Studios
  • パブリッシャー: SEGA
  • シリーズ: Two Point
  • リリース日: 2025年3月5日

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