INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

初代『Diablo』の緊張感を彷彿とさせるアクションRPGの良作! ハクスラ好きにぜひ遊んでほしい『Tower of Kalemonvo』

by 大塚 角満

日本語非対応だけど気にするな!

 筆者はゲームジャンルでハック&スラッシュがもっとも好きなので、毎日のようにSteamの海でその手のゲームを探している。

 しかし、ホントに毎日のことなので過去作も片っ端から掘り尽くしてしまっており、“新鮮な驚き”という観点においては新作に期待するしかないのが悲しき現状なのである。

 そんなある日、いつものようにカテゴリー検索でハクスラの新作を漁っていると……!

 「ん?? こんなゲーム、昨日は確かなかったよな……?」

 ピキン……と心の奥にあるアンテナが反応する、“いかにも”な見た目のゲームを発見してしまったのよ。それがこちらなんだが……!!

 2025年3月29日に発売された『Tower of Kalemonvo』!!

 いや、タイトル画面だけじゃどんなゲームかわからないと思うので、スクショを何枚か貼り付けると……! わかる人には、すぐわかると思う!!!

 ……そう、世のハクスラ好きは全員が「ピキン!!」と反応してしまったと思うが、『Tower of Kalemonvo』は自動生成されるダンジョン内をひたすらウロつきまわり、敵を倒したり、宝箱を漁ったりしながら強い装備を求め続ける……という、完全ディアブロライクなアクションRPGなのだ! その雰囲気も、グラフィックも、ゲーム性も、ぶっちゃけ初代『Diablo』にめちゃくちゃ近しいものを感じる!!

 これ、タマラナイのがその“シビアさ”。多くのハクスラはある程度ダンジョンを冒険して体力がヤバくなったら、タウンポータルやらを使って街に戻り、いらない装備を売ってお金にしたり、体力を回復してつぎの冒険に備えるといった準備のターンが回ってくるかと思う。

 ところが、質実剛健かつ問答無用を地で行く『Tower of Kalemonvo』には、街というものが存在しない。体力回復アイテムはポロポロとドロップするポーションのみで(レベルアップで全快になるけど)、そのわずかな効果を頼りに薄暗いダンジョンを散策させられるのである。

 敵とのエンカウントも非常にシビアで、油断してフラフラと部屋の奥に踏み込もうものなら速攻で数匹のデカブツに取り囲まれて一瞬にして昇天させられた……なんてこともザラに起こる。

 よって、扉を開けるのも慎重になるし、広い部屋なんてものに行き当たったら、

 「ここ!! 調子に乗って進軍したら一気に囲まれるヤツや!!」

 と、ハリネズミのように全身の毛を逆立てながら進むしかない。これが、最高に怖い。

 つぎのフロアに進むのもひと苦労で、筆者は何度最初からやり直したことか……!

 でも、このヒリヒリ感は病みつきになる。

 敵の軍団の武力のほうが圧倒的に上なので(とくに序盤)、たまに手に入るマジックアイテムのありがたさが際立つのだ。

 懇切丁寧かつ低難度で、「俺、つええええ!!!」ができるゲームは確かに楽しい。でもたまにはハクスラの初心に返り、

 「もっと進みたいけど……でも、こええええ!!!」

 となる『Tower of Kalemonvo』のようなゲームにも触れてほしい!! 日本語対応がないのが残念だけど、初代『Diablo』や『Diablo II』で辞書を片手に遊んでいたころを思い出して、筆者はいま“原初のハクスラ”に夢中になっております。

 オススメ!!!

  • タイトル: Tower of Kalemonvo
  • ジャンル: アクション, アドベンチャー, RPG
  • 開発元: osur
  • パブリッシャー: 2 Left Thumbs
  • リリース日: 2025年3月29日

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