INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

山頂までのルートから手足の動かし方まで自分で考える登山ゲーム『Cairn』に超期待! 体験版から楽しすぎて人類未踏の「マウント・カミ」に挑む日が待ち切れない

by 富士脇 水面

2025.4.29 09:11 | 更新

人類未踏の最高峰「マウント・カミ」に挑む登山シム

 2024年のGamescomで一目惚れした『Cairn』というゲームのデモ版をプレイしてみたところ、期待通りのサイコーな作品だったので今回は2025年期待の新作として本作を紹介しようと思う。

 『Cairn』は昨年6月に発表された登山をテーマとする作品で、シンプルながら非常にリアルなクライミングシステムと、限られたリソースを管理して登山に挑むサバイバル要素が特徴的。

 プレイヤーはプロの登山家“アーヴァ”として、人類未踏の山「マウント・カミ」登頂を目指すのだという。

 ゲームとしては比較的珍しい登山をメインに据えた本作だが、未踏の山脈に挑むTRPGシナリオに出会って以来、山への憧れをうっすらと感じている筆者にはぶっ刺さる作品だったので、本稿ではデモ版の感想と共に本作を紹介していく。

たったひとり、わずかな道具で挑むクライミング

 さて、『Cairn』がどんなゲームなのかという紹介はトレイラーを見てみもらうのがはやいのだが、本作は前述したように登山、正確にはアイガー北壁に代表されるようなアルパイン・クライミングをテーマとした作品。

 アルパイン・クライミングについては筆者自身が詳しくないため詳細な解説はできないが、一般的な登山とは異なり、登山道が整備されていない急峻な山岳地帯を進む登山の一種と考えてもらえばいいはずだ。

▲チュートリアル的位置づけだが十分に険しすぎる岩山。

 デモ版ではトレイラーで確認できるような本編レベルの険しい山には挑戦できないものの、クライミングジムでのチュートリアルと低めの岩山でのクライミングが収録されており、初見プレイレベルでは十分にプレイしがいのある内容となっている。

 プレイの流れとしてはクライミングジムで簡単なチュートリアルを済ませてから岩山に挑戦というかたちなのだが、チュートリアルに挑んだ時点で筆者は「求めていたのはこれだ!」という手ごたえを感じていた。

 というのも、本作の根幹となるクライミングシステムが良くできていて、クライミングウォールを登っているだけでもかなり楽しい!

 本作のクライミングシステムはスティックでアーヴァの手足を伸ばす方向を指定し、決定ボタンを押すだけというシンプル操作なのだが、その時の体勢や四肢にかかる負荷によってどの手足が動かせるかが決まる。(設定を変更すれば手動でどの手足を動かすか選択できるようになる)

 つまり、自分が動かしたいのは右腕なのに、体の支えにしてしまっているために、他の手足を動かすしかないという場面が生まれるのだ。

 クライミングどころか登山の知識すらない私がこのような表現を使うのは正しくないのかもしれないが、この不自由さが妙にリアルで、壁を登っている感覚というか雰囲気を感じさせてくれた。

▲チュートリアル最後は岩壁を使った実践に挑戦。

 チュートリアルの時点で『Cairn』の世界に夢中になった筆者だが、チュートリアルを越えた岩山のクライミングパートはもっとすごかった!

 なんてったって岩山でのクライミングはとにかく自由度が高い。

 このデモのゴール地点は岩山の頂上だが、頂上にたどり着けさえすればそれまでのルート取りやペース配分は完全に自由。

▲LBボタンで壁を遠くから確認してルートを考える。

 比較的登りやすそうな場所を選んで登ってもいいし、麓から頂上まで一直線に登ってもいい。もちろん、あえて難しいルートを選んでじっくり登ったっていい。

 本作では岩壁からの墜落を防ぐハーケンやチョークといった道具も用意されているため、安全確保を優先した安定プレイや、逆にアイテムやテントなどを極力使用しない攻めたプレイなども楽しめる。

▲手足の選択などリアルな不自由さがある一方で、打ち込んだハーケンの回収やビレイヤーは同行するクライムボットが行うなど、リアルさよりも快適さを重視している要素も。

 デモ版ということで岩壁を登る部分はそれほど難しくはなく、所要時間としてはチュートリアルも含めても2~30分程度で頂上にたどり着けるボリュームなのだが、個人的にはリプレイ性の高さがかなりの魅力だった。

▲マップにはテントでの料理で使えるアイテムが配置されていたり、景色を楽しめるビューポイントのような寄り道を楽しむ要素も用意されている。

 前述のようにさまざまなルートを選べるうえに、アイテムを使わない挑戦的なプレイなども楽しめるため、登り方を変えるだけでプレイ感も変わり、登れば登るほど上達している感覚も強くなっていく。

▲頂上まで登りきると辿ったルートとかかった時間、落下した回数などが表示されるため、タイムアタックなどにも挑戦したくなる。

 チュートリアルからワクワクしっぱなしだった筆者は「あっちのほうが登りやすそう!」、「こっちのほうが楽しそう!」とあちこち登ってまわった結果、短いデモなのに6時間以上も遊んでしまった。

 デモ版からとてつもない可能性を感じさせられた『Cairn』は2025年内のリリース予定。本稿で紹介しているデモ版はSteamからダウンロードできるため、今回の紹介で少しでも気なった方はぜひチェックしてみてほしい!                                                         

  • 商品名  Cairn
  • 開発   The Game Bakers
  • 販売   The Game Bakers
  • 配信日  2025年
  • 定価   TBA
  • 日本語  〇
  • 公式SNS 
    • https://x.com/TheGameBakers
    • https://bsky.app/profile/thegamebakers.bsky.social
    • https://www.youtube.com/user/TheGameBakers
    • https://www.twitch.tv/thegamebakers

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