INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

【レビュー】武具を詰めたバックパックの中身でオートバトル! 地味だけど奥深い『バックパック・バトル』を超オススメしたい!

by 大塚 角満

レイアウトが勝負!

 6月中旬にSteamで実施されていたGames Germany主催のサードパーティーイベント“ドイツのゲーム”を、ヒマに任せて眺めていたときのこと。

 ドイツはボードゲームを始めとするアナログゲームの本場だ……ということは言うまでもなく、俺も友人たちと“ゴキブリ友の会”(ゴキブリポーカーをこよなく愛する仲間の集まり)というボードゲーム愛好会を作って活動していたくらいこのジャンルは好きなので、

 「ドイツゲームまとめとか、最高じゃん!!」

 とわめきながら、ピックアップされているタイトルをチェックしていったのである。

 すると……!

 近くレビューを書こうと思っている『Enshrouded~霧の王国~』と並んで、開発者がライブプレイをしているタイトルが目に留まった。

 これは……RPGのショップのシーンか……? それにしてはやたらと長時間、アイテムをガチャガチャと入れ替えたり並べ替えたりしているけど。しかもこれはよく見ると、インベントリーが細かくブロック分けされていて、その並べ方によって効率よく武器や防具を収めるようになっているのか。

 「ふむふむ!!」

 パズルゲームを彷彿とさせるそのプレイに、一気に引き込まれた。見れば並べ方次第でアイテムどうしが光のエフェクトで結ばれて、一見して、

 「あれは……シナジーが生まれているわけだな!!」

 とわかった。なるほどなるほど!! 効率よくバックパックに武具やアイテムを収められると、ダイレクトにプレイヤーキャラの強さに反映されるってわけだ!!

 もうこの時点で、俺は『バックパック・バトル』というゲームの虜になっていたんだと思う。こういう、見た目は決して派手ではないものの、戦闘に行くまでの準備で戦略力が問われるゲーム、昔から大好物なのだ。

 すると間もなく、このプレイヤーは準備が整ったようで、中央の“対戦相手を検索……”のタブをタップした。そしたら……!! そこからさらに、俺の好みのゲームプレイが画面に現れたのである!! なんとなんと『バックパック・バトル』は……!!

 ……止め絵だとわからないと思うけど、これ、すべてオートで戦っているのだ。要するに、『バックパック・バトル』は“オートバトル”のゲームだったってわけ。

 じつは俺、今年から来年にかけてゲーム業界でブームになるのは間違いなく“オートバトル”とか“オートチェス”と呼ばれるジャンルだと思っていたのよ。そこに来て出会った『バックパック・バトル』は、いち早く俺の理想を体現してくれた良作だったってわけだ!!

 ってことで速攻で購入して、『バックパック・バトル』を始めてみた。

 『バックパック・バトル』は“PlayWithFurcifer”というドイツの開発会社のゲームで、この記事が読まれるころはアーリーアクセス中だと思う。画面を見てわかる通りしっかりと日本語にもローカライズされているので、言語面での心配は無用だ。

 ではどんなゲームなのか……ってことは上で書いたことでほぼすべてなんだけど、せっかくなので日本語訳されていたゲーム説明をコピペしておこう。

 「アイテムを整理整頓してオートバトルに挑め! レアなアイテムを買いあさり、自分だけの強力なビルドを作り上げよう。いざ、他のプレイヤーたちと対戦だ!」

 ……こんだけ。

 やっていることは極めてシンプルなので、マジでこの説明だけで十分かもしれない。流れを箇条書きにしても、

・バックパックの中で、パズルのようにアイテムを整理する
・その並びでシナジーが生まれるアイテムが多数
・アイテムは画面右のショップで購入する
・バックパックのパーツがあれば購入して枠を増やせる
・満足のいく並び(つまりビルド)ができたら戦闘へ
・相手は他のプレイヤーが作ったビルド
・リアルタイム対戦ではないので、殺伐とせずに遊べる
・戦闘が終わったら、ショップに戻ってビルドの構築

 これで事足りるくらいなので、ホントにゲームとしての要点だけを抽出して、シンプルにまとめたタイトルであることがわかる。

 ショップに並ぶアイテムは入るたびに変更されるので、

 運の要素は少なくはない。が、お金を払うことでラインナップを刷新できたり、手持ちのアイテムの効果で強烈なレアリティーのブツが並んだりもするので、そのへんから戦術を組み立てていくのも一興だ。

 が、いくら強い武具が出てきてもバックパックに空きがないと入れられないので、

 枠自体をあーだこーだと動かして、入れられるスペースを確保しなければならなくなったりする。いくらラインナップを刷新しても枠のパーツが出てこないときは、泣く泣く手持ちのアイテムを売ってスペースを作ったり……。でも、ここでの会心の一手がつぎのバトルで快勝に繋がったりするので、

 最良のレイアウトを探して「うーんうーん!!」と唸り続けることの……楽しさったら!!!ww

 くどいけど、『バックパック・バトル』は地味だ。でも、ことゲーム性という点において、これほどシンプルにしてベストなタイトルには久しぶりに出会った気がするよ!!

 アイテムの引きが良くて破竹の快進撃ができることもあれば、

 まったく逆で、目当てのものが一向に出ず、

 ボッコボコにやられてしまうこともある。そしてやり込めばやり込むほど、

 「武器についている“スタミナ”のパラメーターをないがしろにすると攻撃が続かなくて、ジリ貧になる!」

 とか、

 「マイナス効果を打ち消してくれるアイテム、何気に重要かも!!」

 なんて、自分なりの攻略方法が見えてくるのも楽しい。……ていうか楽しすぎて、『バックパック・バトル』を買って以来3日間、ほかのゲームをまったくやらずにバックパックでパズルをしているよ(苦笑)。それほどの中毒性と、会心のレイアウトができたときのカタルシスがヤバい。なので間違いなく半年後も、

 「最近、『バックパック・バトル』しかやってないわ」

 と言っている自信があるわ。

 『バックパック・バトル』は前述の通りアーリーアクセスのタイトルなので、これからさらなるバランス調整や要素の追加(友だちとリアルタイムで対戦したりとか)を経て、晴れてフルバージョンのリリースとなる。でも、現時点でも十分すぎるほど遊べるので、

 “オートバトル”

 “デッキ構築”

 このふたつのワードに「ぴくん!」と反応した方には、ぜひ遊んでほしいと思いました!!

  • 商品名  バックパック・バトル
  • 開発   PlayWithFurcifer
  • 販売   PlayWithFurcifer, IndieArk
  • 配信日  2024年3月8日
  • 定価   1,700円(Steam)
  • 日本語  〇

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