INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

『9to9 Museum』は、かすかな違和感を見つけ出して美術館からの脱出を目指す“微ホラー”な良作アドベンチャー!

by 大塚 角満

あえて、薄く紹介します

 そのゲーム性からして、ヘタなことを書くとすべて謎解きのネタバレになる恐れがあるので、最低限のこと以外、薄~~~……く紹介する記事にしたいと思う。

 6月25日に、YTCRAFTさんがSteamでリリースした『9to9 Museum』はタイトル通り、深夜の美術館が舞台の3D探索型のアドベンチャーゲーム。

 この、真夜中の美術館とか博物館、さらに言えば学校の教室とかって、その字面からして人の深層心理に訴えかけるような、不気味で怖いシチュエーションだと思う。

 ホラ、よくあるでしょう。

 真夜中に音楽室のベートーベンの肖像画の目が光るとか、美術館の銅像が歩いているとかとか……。そういう、眉唾物の都市伝説(もしくは学校の七不思議)の舞台に、深夜の閉ざされた空間は採用されやすいと思うのである。絵でも彫刻でも、暗闇のどこかにたくさんの“目”があると考えるだけで、たいていの人は、

 「なんか……気味悪いな……」

 とブルってしまうものだから。

 『9to9 Museum』は、まさにそういった夜の美術館がゲームの舞台だ。

 この、薄暗い静謐な空間には、たくさんの絵や彫刻が置かれている。

 その中で、懐中電灯と時計を手に入れたプレイヤーは、

 それを持って、同じ室内をライトで照らしながら散策するわけだが……あれ?? なんだか……さっきと雰囲気が違う気がするぞ?

 そう、いま館内では不気味な異変が起こっている。たとえば……ひとつだけ載せてしまうと、さっきまでは、

 シーーーーン……

 どこか物憂げな表情をしていた老婆の絵画が……!

 え……。わ、笑ってる……!?(((( ;゚Д゚)))

 『9to9 Museum』は、このような奇妙な違和感を探しながら脱出の手段を見つけ出し、エンディングを目指すゲームとなっている。その概要をそのまま貼り付けると、 

 「3Dの一人称視点で懐中時計と懐中電灯を利用し、薄暗い美術館を冒険します。違和感を感じる場所(異変)を見つける間違い探しゲームです。制限時間以内に異変を12回連続で見つけるとゲームクリアです。プレイ中の行動により7つのエンディングに分岐する「マルチエンド」で様々なストーリーがあります」

 とのこと。うーーーん、これはかな~り歯応えがありそうだぞ……。

 実際、筆者も数日前から夜な夜な美術館に潜っては、

 その違和感の調査を行っている。ときに、

 「え!? なにこれ!! さっきまでなかったよな!!?」

 という奇妙な物体や事象に出くわし、それがまたエンディングに向かうための大きなヒントになっている気がして(まだすべてのエンディングにたどり着いていないので、曖昧で申し訳ない)、なかなか一筋縄ではいかない。この美術館の謎を解かないことには、別のゲームに手を付けられないかも……。

 さて、記事タイトルに“微ホラー”と書いた通り、『9to9 Museum』にはちょっと怖い演出もある。

 とはいえ、追加されたジャンプスケア(驚いて飛び上がるような演出のこと)もオンオフの切り替えができるので、ホラーが苦手な人はオフで十分楽しめる。この、至れり尽くせりで丁寧な造りが好感なのだ。

 というわけで、すべてのエンディングを見るまで遊び込もうと思います!

  • 商品名 9to9 Museum
  • 開発  YTCRAFT
  • 販売  YTCRAFT
  • 配信日 2024年6月25日
  • 定価  350円(Steam)
  • 日本語 〇
  • 公式サイト https://ytcraft.jp/

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