ゲームではない何か……。『OU』はしみじみと心に沁みる“インタラクティブ絵本”だった
内容的に……さわりだけ!
Steamのストアページの説明に見た以下の文言。
「「なにかと だれかの あいだで。」 本のページを無造作にめくるように様々な姿を見せる不思議な世界ウクロニア。 あなたは主人公「OU」として、ゲームの形をした「何か」を体験する」
これを読んだとき、心から思ったよ。
「なんで俺、いまのいままでこのゲームを見つけられなかったんだろう……!!」
ってね。
その独特な世界観と特異なゲーム性、そして切なくも不思議なストーリーで多くのゲームファンを魅了しているそのタイトルこそ、ジー・モードから2023年8月31日にリリースされた『OU』(オーユー)なのだ。
Nintendo Switch版も発売されているので、プレイしたことがある人も少なくないのではなかろうか。
筆者は恥ずかしながら前述の通り、つい先日まで『OU』の存在に気付かず、1年半ものあいだ素通りしてしまった人間だ。でもひょんなことから出会いを果たすことができ、その場で購入を決めて遊び始めたのである。そして、絵画のような美しい描写と背景で流れる抒情的な音楽に一瞬で魅せられ、いまこうして筆を執っている次第だ。
「でも……」
と思う。
上のゲームの説明に“ゲームの形をした「何か」”と表現されている通り、果たして『OU』はゲームと言えるのだろうか??
いわゆるゲーム的なアプローチと言えば、
記憶を失った主人公・OUが持っていた唯一の道具“ふせん”を投げて攻撃したり、気になった場所に張り紙をすることくらい。あとは、
迫りくる“サウダージゴースト”というバケモノから逃げ回る……といったあたりだろうか。
進行は基本、ナビゲーターを務めるおしゃべりでシニカルなオポッサム“サリー”にされるがまま。でも、彼の火が付いた尻尾を追い掛けていくだけで、
さまざまな“存在”が現れ、じつに奇妙な流れで物語が進行していく。
よって、間違いなくアドベンチャーゲームなのであろう。でも、『OU』にはもっとピッタリな言葉がある気がしてならない。
これは……そう、動く絵本。プレイヤーのちょっとした行動で物語と結末が変化していく、“インタラクティブ絵本”なんだな。
あまり詳しく書いたり、余計なスクショを貼り付けるとネタバレになってしまうかもしれないので、多くを語る無粋は避けたいと思う。
これだけの文章でも、何かが心に引っ掛かった人は、ぜひダウンロードして遊んで……いや、“見て、読んで”ほしい。きっと、心に何かが灯るから――。
- タイトル: OU
- ジャンル: アドベンチャー
- 開発元: room6, G-MODE
- パブリッシャー: G-MODE, yokaze
- リリース日: 2023年8月31日
- 日本語:〇