INDIE GAMES JOURNAL(インディーゲームジャーナル)

“デッキ構築の妙”と“運”が絶妙に絡み合うオートバトルローグライクゲーの良作! 『ラッキーハンター』で時間が溶ける!!

by 大塚 角満

秋の夜長にピッタリです

 もともと、設定や世界観、ストーリーがややこしくて、ルールを覚えるまでに何時間もかかるような重厚長大なゲームが好きな筆者なのだが、日々の生活や仕事に疲れてくると、あまり深く考えなくても楽しく遊べ、かつ、知的好奇心も刺激してくれるカジュアルなゲームが遊びたくなってくる。そんなときはついつい、いわゆるヴァンサバライクのアクションシューティングや軽めのハクスラを選んでSteamDeckでプレイしてきたんだけど……!!

 2024年11月5日から、このラインナップに新たな良作が加わってくれた。デッキ構築のフェーズで絶妙に脳ミソを刺激しつつ、バトルは運も多分に絡んだオートで、ひたすらハラハラしながら見つめるしかない……という、筆者の欲求を満たしまくってくれるシステムを搭載!!

 そのゲームとは……!!

 159 Studioが開発し、indienovaからリリースされたローグライクオートバトラー、『ラッキーハンター』!! これ、ヤバいです!! 11月9日午前8時、軽い気持ちで購入して遊び始めた瞬間に記憶がなくなり、「はっ!!!」と気づいたときには午後1時になっていた……ってくらい夢中にさせられてしまった!! 『ラッキーハンター』、カジュアルなのにめちゃくちゃ奥深くて楽しいぃぃぃいいいい!!!

 『ラッキーハンター』は、戦闘後に現れる選択肢の中から任意でスキルを選択してデッキを構築し、つぎつぎと現れる敵とオートバトルで戦う……という、ローグライクとオートバトルが組み合わさったゲームだ。

 誤解を恐れずに言えば、『Slay the Spire』と『バックパックバトル』、さらに『幸運の大家様』がいい感じに混ざり合った感じ……というシステムになろうか。

 公式が取り上げているゲームの特徴は、以下のようなものになる。

・ランダムに生成されたマップを進み続け、慎重にルートを選び、戦闘、ショップ、エンチャントなどのイベントを探索しましょう。
・戦闘は自動で行われ、プレイヤーは遺物の効果と所持デッキの相性を探索し、強力なデッキを構築することに集中します。様々な個性を持つ駒の効果を組み合わせましょう。
・同レベルの駒が3つ隣り合うと、合体してより強力な駒になります。無敵の軍団を作り上げましょう!
・敵の攻撃はどんどん激しくなります。敵を迅速に倒し、やられる前に強くなりましょう。
・勝敗に関わらず、毎回の冒険でスキルポイントが貰えます。属性を向上させ、新しい駒をアンロックし、次の冒険の準備を整えましょう。

 バトルで使われるのは、画面中央にあるマス目だ。

 戦闘が始まるとここに、プレイヤーが任意で集めたスキルのパネルがバラ撒かれ、互いにシナジーを発生させて、攻撃力が上がったり、攻撃回数が増えたり、追撃を発生させたり、はたまた仲間の戦士を増やしたり……なんていう効果が矢継ぎ早に発生する。

 並びがランダムなため、想像以上にショボい攻撃になってしまうこともあれば、

 とてつもない連携が生まれて、信じられないほどの大ダメージを叩きこんだりもする。デッキの構築はプレイヤーの戦略次第の“必然”で組めるが、このマス目の並びはホントのホントに“偶然”でしかなく、これが絶妙な歯痒さとカタルシスを生んで、

 「はよ!! つぎのバトルを!!!」

 というモードになってしまうのだ。

 マップに現れるショップや鍛冶屋を利用しながらスキルを強化しつつ、

 負けても回収できるスキルポイントを使って、少しずつ土台を固めていく楽しさたるや……!

 シンプルな見た目とは裏腹に、非常に奥深く、どこまでも遊び込めるゲームデザインに心から脱帽!!

 ようやく深まってきた秋の夜長、今年は『ラッキーハンター』をオトモにすることに決めました。

  • 配信タイトル:Lucky Hunter
  • 開発元:159 Studio
  • パブリッシャー:indienova
  • 配信:2024年11月5日
  • 日本語:〇

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